
石畳が敷かれる風情ある路地に建つ3階建の古家をリノベーションした『食堂 ぎんみ』
お昼の営業をしていないお店が多い西中洲にあって、こちらでは前日までに予約をすればひとりでも開けてくださるとのことで…
京都の米料亭“八代目儀兵衛”のオリジナルブレンド米を土鍋で炊き上げるごはんがいただけるとのことで予約をさせていただいたのであります



入り口脇にあるネオン管には違和感があるものも、白く塗られた外壁に木製の開き戸と、スタイリッシュさもありながら上品さも感じることができました
2階は個室、3階はテーブル席となっているそうで、ひとりでお邪魔したワタシは、板場を前にするカウンター席へと促されます


いただくお料理は「炊き立て土鍋御飯 京都祇園 八代目儀兵衛「翁霞」を味わうコース」でありまして…
「季節の前菜3種」として提供された“ほうれん草と金柑の白和え” “とらふぐの煮凝り” “丸十の蜜煮”に始まります
白和えは金柑の香りがアクセントとなっていますし、煮凝りはふぐの皮のコリコリとした歯ごたえが心地好く…
薩摩藩島津氏の家紋が丸に十字であったことからつけられたさつまいもの別名である丸十の甘味を楽しみました
そして「茶碗蒸し」
湯葉や蟹身が入った贅沢な茶碗蒸しにはいくらまでもがトッピングされていて…
滑らかな舌ざわりとともに湯葉の優しい味わいにおいしさを感じます


「本日のお造り5種」として提供されたのは、鰆とハガツオ、ヒラス、白子、本鮪でありまして…
大皿に盛り込みされるのではなく、鰆にはお塩とわさび、酢橘が添えられますし、ハガツオには南高梅で作られたタレが掛けられるなど、それぞれの味が活きる工夫がされることから別々の小皿で提供されます
皮目を軽く炙ってあることで香ばしさを感じる鰆、とろんととろけるようなミルキーな白子の舌ざわり、本鮪は赤身と中トロをニラ醤油でいただくなど満足感あるお刺身でありました


続いては「一夜干し手羽先の唐揚げ」
一夜干しにすることで余分な水分抜けた手羽先は旨みが凝縮するだけでなく、水分が抜けることでパリッと揚がるようで…
柚子胡椒とお塩でいただく旨みだけでなく、パリッとした鶏皮の歯ざわりもまたおいしくいただけます
「鰈と茄子、お豆腐の揚げ出し」
鰹節が踊る姿にもおいしさが感られますし、鰈はふっくらとしていて…
揚げ出しの醍醐味である優しいお出汁の味わいもまた見事なものでありました




そして土鍋御飯
翁霞(おきなかすみ)と言うブレンドでありまして…
食べるスピードが早いことから蒸らし時間が足りなかったのでしょうか 一粒ひと粒が立ったちょっと硬めに炊き上げたごはんが好きなワタシには柔らかく感じられましたが、粘りや甘みは十分に味わうことができ…
こだわりの枕崎産“本枯節”や唐津産“七山卵”の卵黄を使うことなくともおいしくいただけるものでありました

温州みかんのソースをあしらったパンナコッタで〆 正直なところ、このパンナコッタにはこだわりを感じることなく…
ここまでの満足感が一気に冷めてしまうかのような残念なものでありました
【食堂 ぎんみ】
福岡県福岡市中央区西中洲2-16
092-753-9448
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