
30年来の友人が福岡に出張して来ているとのことで、9年ぶりに会食をしようと…
2003年から営業されていた春吉から2年前に移転された『うわのそら』を選びます
久しく和会席をいただいていなかったことと、博多区三筑に本店を構える『とどろき酒店』系列であるとのことからおいしいお酒とのペアリングが友人を楽しませるであろうと…


薬院六つ角近く、大正通り沿いにある秋本病院から脇道へ入ると直ぐにお店から溢れる灯りと真っ白な暖簾が目に入りまして…
計算し尽くされたかのような演出においしさを感じますし、店内に入ると厨房を囲うように作られた白木のカウンターに上品さを感じることができました
10席のカウンターと半個室になった4名掛けのテーブルがひとつあるだけのお店でありますから、少人数でお料理とお酒を楽しみたいお客さまに適したお店であります



旬真っ盛りの“菊芋”を使ったすり流しの滑らかでとろりとした舌ざわりとほのかな甘みで食事の準備をしたあとは冬の味覚“白子”を使ったおろし煮でありまして…
ミルキーな旨みとあご出汁の香りを楽しみます
続いてのお造りは五島で揚がったと言う鯨と福岡では“あら”と呼ばれる高級魚クエ、スマガツオの3点盛りであります
あまりいただくことができない鯨とスマガツオは濃いめなお醤油“芳酵造り”と生姜でいただき、ポン酢でいただくことが多いクエは薄味なお醤油“こはく”やお塩でいただきます
鯨は、牛肉で言うとタンに当たる“さえずり”や“うね” “胃袋”と異なる味わいが楽しむことができました



柳川・江口商店の鰻を使ったと言う“はす蒸し”の粘りはお餅のような歯ざわりを楽しむことができますし、包まれた白焼鰻の贅沢感と銀餡に溶かしたわさびの風味をいただきます
味噌漬けにされたことで水分が抜けパサついた感じがするのではないかと心配した牛肉のグリルはしっとりとしていましたし味噌の風味もおいしく…
塩焼きにされた3枚おろしの鰯とともに、茹でた(蒸した)あと裏ごししされたインカのめざめが巻き簾で形を整えられていて…
塩で引き出された鰯の旨みとともに、バターや生クリームが加えられているであろうインカのめざめの滑らかな舌ざわりを楽しむことができました


すき煮で提供された豚肉は柿を与えて育てたと言う柿豚であるそうで、バジルと湯通しされたトマトと一緒にサッパリといただき…
蒸されたであろう鯛も大根おろしが添えられていることでサッパリといただけ、原木舞茸の歯ざわりも心地好くいただけました


そして土鍋ごはん
お魚は金目鯛でありましょうか、皮目が香ばしく焼かれていますし、いくらまでもが添えられていまして…
ネギが散らされたビジュアルにこれは間違いなくおいしい逸品であることを感じます
お出汁の香りと優しい味わい、それにいくらの漬け汁の甘みが加わって…
おいしい味噌汁や香の物とともに満足いくものでありました

牧草牛のアイス シャーベットをいただいて〆
ミルキーな味わいとシャリっとした歯ざわり、そして添えられたコンポートの爽やかさもあって…
良い口直しの逸品でありました
日本酒とのマリアージュが楽しめるだけでなく…
旬はもちろんのこと産地にまでこだわった食材を活かす調理の素晴らしさを感じますし、店主であろう方との会話も楽しく満悦至極の時を過ごすことができました
【うわのそら】
福岡県福岡市中央区警固1-9-2 MODERNPALAZZO KEGO SUN
092-761-1160
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