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先月のこと
ゆっくりとしたお部屋で会食を楽しみましょうと訪ねたのは1894年から続く老舗料亭『坂本屋』
「本日は予約のお客さまでいっぱいです」との言葉に諦めたのでありますが…
あまりにも立派な佇まいであったことやその丁寧な対応に、ここは絶対に一度は伺っておくべきお店だと直感し、東京へ戻ってすぐに今月の予約を入れておいたのであります



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案内していただけたのは宿泊にも使われるという12畳ほどのお部屋でありまして、そこを貸切で使わせていただけるだけとは思ってもみませんでした
お部屋には卓袱料理をいただくための円卓のほか、お庭を眺めながら寛ぐことができるテーブルまでもが置かれていまして…
贅沢な時間を過ごさせていただけることに感謝であります

卓袱料理とは…
そもそも親交を深めるための料理であるため身分の上下なく平等に円卓を囲むのが特色であること
これまで一人前がお膳に乗せられることが普通であった日本において、このスタイルが斬新であったことからたちまち全国へと広まり…
お父さんがひっくり返す〝ちゃぶ台〟へと進化したととの説もあるとのことであります
そして円卓に並べられるお料理には取り箸が置かれることなく、自分の箸で小皿に取り分けていただくのだとか
食べる順番や食べ方などの決まりはないそうですが、唯一の決まりはまず最初に〝お鰭(ひれ)〟を食べ切ることであるそうです


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そんなことを説明してくださった仲居さんから「お鰭どうぞ」との挨拶をいただき食事が始まります
「お客様一人に鯛1尾を使いました」というもてなしの意味が込められているとのことですから、そのもてなしに感謝を込めて、きちっと出汁が出たおいしい吸い物をいただきます


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続いて卓上に並べられた「小菜」は…
関東ではヒラマサとして知られる高級魚〝ヒラス刺身〟〝筍木の芽和え〟〝フカの湯引き〟とあって、お刺身コリコリとした歯ざわりや木の芽和えの香りなどを楽しみます
ふっくらと煮込まれた〝黒豆〟と一緒に盛られているのが〝長崎風ちまき〟であるとのことですが、それはきな粉をまぶしたおはぎのようでありますし…
卵焼きやキビナゴと一緒に盛られるのが〝いちごのゼリー寄せ〟であったことには驚きであります


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そして「中鉢」として提供されるのは〝東坡煮〟
いわゆる豚の角煮なのでありますが、卓袱料理の代表的なお料理であるそうで…
しっかりと味が染みているにもかかわらず〝ほろり〟と崩れるお肉と、余分な脂が落とされることでゼラチン質だけが残った白身は〝とろり〟
まさにお店が目指しているという〝とろとろ ほろり〟を味わうことができました


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ご飯と一緒に「沢煮」
ランチで提供する卓袱料理には含まれないのですが、ぜひ添えて召し上がり下さいと勧められたものでありまして…
スープ仕立てとして提供されるようで、鶏のささみとともに優しいお出汁の旨みを楽しむことができました


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〆は〝おしるこ〟と〝オレンジ〟
以前はいついただいたのか思い出すことも出来ないほどに久しぶりなお汁粉でありましたが、控えめな甘みのおいしさと白玉のモチッとした歯触りに満足させていただきました



【料亭御宿 坂本屋】
長崎県長崎市金屋町2-13
095-826-8211 

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